- すみ
- I
すみ【墨】(1)油煙・松煙を膠(ニカワ)で固め, 硯(スズリ)ですって書画を書くのに用いるもの。 また, それをすって作った黒い液。(2)絵の具を固めて作り, 硯などですって絵などを書くときに用いるもの。 朱墨・藍(アイ)墨など。(3)まっ黒なすす。
「鍋(ナベ)の~」
(4)タコ・イカなどの体内にある黒い汁。 身に危険が迫った時, 噴出して外敵の目をくらます。「タコが~を吐く」
(5){(1)}で書いたり染めたりした色。(6)「墨染め」の略。「~の衣」
(7)「墨縄」「墨糸」の略。「~を打つ」
(8)印刷用の黒インク。「~一色」
~と雪性質が全く反対のもののたとえ。~に染まれば黒くなる人は環境や交わる友によって良くも悪くもなることのたとえ。 朱に交われば赤くなる。~は餓鬼(ガキ)に磨(ス)らせ、筆は鬼に持たせよ墨をするときにはできるだけ力を入れないですり, 筆で書くときは勢いよく力強く書くべきだ, というたとえ。~を打・つ墨縄で木材などに黒い線をつける。~を磨(ス)るは病夫の如(ゴト)くし、筆を把(ト)るは壮士の如くす「墨は餓鬼(ガキ)に磨らせ, 筆は鬼に持たせよ」に同じ。IIすみ【済み】物事が済むこと。「その件はもう~だ」「お代は~です」
→ ずみ(済)IIIすみ【炭】(1)木材を蒸し焼きにして作った黒色の燃料。 木炭。 ﹝季﹞冬。 《学問のさびしさに堪へ~をつぐ/山口誓子》(2)物が焼けて黒く残ったもの。IVすみ【酸味】酸い味。 酸っぱい味。 すっぱみ。 さんみ。Vすみ【隅・角】(1)囲まれた区域のかど。 また, 端の方。 すみっこ。「部屋の~に片づける」「重箱の~をほじくる」
(2)ある場所の中心やその周辺でない所。 人々の目につかない所。 かたすみ。「社会の~でひっそりと暮らす」
(3)「隅の折敷(オシキ)」のこと。(4)「角前髪(スミマエガミ)」の略。~から隅まで一方の隅から他方の隅まで。 ある範囲のすべてにわたって。~に置けない案外, 技量があったり世間を知っていたりして, あなどり難い。 抜け目がない。~を入れる元服二, 三年前の男子が前髪の額ぎわ両隅を剃(ソ)り込むこと。 角(カド)を入れる。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.